児童養護施設 恵愛
事業概要
さまざまな事情により家庭で暮らすことが叶わない児童等が生活を営む施設です。
明るく温かな家庭的環境の中で、一人ひとりが「大切にされている」と実感できるための養育を実践しています。専門のスタッフが24時間364日チームで児童等を見守りながら、地域支援なども行っています。また、施設を退所した方々へのアフターケア(相談その他の自立のための援助)は、その後の長い人生の伴走者として、ご縁を大切にしています。
この他、親の病気などの理由により一時的に家庭での養育が困難となった児童を預かる子育て短期支援事業(ショートステイ、トワイライトステイ)も行っております。
児童定員
定員45人(小規模グループケア:4ユニット、幼児ユニット:1ユニット、混合ユニット:1ユニット)
対象者
家庭環境や様々な事情、保護者がいない、虐待を受けている等、により養護が必要な1歳から18歳までの児童。ただし、特に必要がある場合は、乳児(1歳未満)の入所や20歳までの入所延長ができます。
利用への手続き
まずは、お住まいの地域の児童相談所などに相談します。
入所の可否については、児童相談所が調査して判断します。
各室紹介(1・2階)
施設1階
① 年少児室
2歳から就学前まで児童生活スペースです。トイレ、お風呂は低年齢児のサイズに合わせたつくりになっています。冷暖房はもちろんのこと、床暖房を備えています。 各児童に個人のロッカーを備え幼少期からの自分のスペースの確保、整理整頓の意識付けを図れるつくりになっています。
② ステイルーム
市町村より委託を受けた、子育て支援ショートステイ・トワイライトステイの受入を行っています。緊急入所希望の多い現況に一時保護児童受け入れの専門室(最大同時4名受け入れ可能)が整っています。
③ 静養室・医務室
児童の怪我の手当てや身体測定、健診、医療的ケア施行時、また感染症罹患時の療養の場として活用しています。シャワー室、トイレ、床暖房を完備しています。
④ 地域子育て支援相談室
平成31年4月に開所いたしました。お子さまの子育てや発達に不安や悩みがありましたら、ご一緒に相談しながら、みんなが幸せに暮らせるお手伝いをいたします。 まずはご連絡ください。訪問もいたします。
⑤ 多目的室
定例の職員会議等で使用する他、入所児童同士の交流や学習の場になります。また音響設備やスクリーン兼ね備えているため様々な形式の研修にも対応できます。パーテーションで半分に区切り、二部屋としても使用できます。地域の団体の皆さんも使用が可能です。
⑥ 下処理室・荷受け口
各ユニットに食材を配分する前に簡単な調理を行うための場所です。災害時など大量調理が必要な場合にも使用します。
⑦ 心理相談室
心理士が子どものニーズに合わせて遊戯療法やカウンセリング等の心理療法を行います。また、子どもがもつ悩み等を気軽に相談することが出来る体制を整えています。
⑧ 地域交流ホール
防災拠点型の地域交流ホール「陽だまり」です。この建物は施設が使用する特定の日を除き、市民の方々に全面開放して、子育て交流サロン、子育て福祉関係イベント、高齢者の憩いの集い、青少年健全育成などに活用しています。
防災拠点機能としては災害時の乳幼児を抱える家庭の受け入れや、高齢・障がい者の一時保護など福祉避難所として機能を発揮させていきます。緊急炊き出し用の食料などの備蓄もあり万全の体制を維持しています。建物内にはキッチン、多機能型トイレも完備しており、乳幼児を抱えた保護者の方々、高齢者等も使用できるようになっております。
※施設利用申請・料金はこちら
⑨ ファミリールーム
退所を控えた児童の生活訓練や親と子の日常生活の訓練・交流の場、また退所者の社会的自立の促進を図る為の一時的な生活スペースとして活用しております。
施設2階
各ユニット最大8名の児童が生活できる居住スペースになっています。建具、キッチン、お風呂、トイレはより家庭に近付けたものを取り付けてあります。一人部屋と二人部屋があり、それぞれの児童がプライベートな空間・時間を持つことが出来ます。 |
地域との関わり
地域の稲荷山地区のお祭りに児童・職員も参加。地域の皆さんと一緒になりお神輿を担ぎました。 |
食 育
H29年度から小規模ユニットになり、家庭的な雰囲気に近づいた恵愛。
一緒に買い出しに行き、料理をする機会が増え、"食"が子ども達にとってより身近なものになりました。平日は栄養士が考えた共通献立、休日は各ユニットの自由献立となっています。共通献立は、発達に必要な栄養素を取り入れたバランスの良い食事を提供しています。自由献立では、希望をとりながら子ども達と一緒に作ることで、食事の楽しさや手作りの美味しさを伝えています。
また、栄養士を中心として児童の年齢に合わせた食育を進めており、幼児にはエプロンシアター、中高生とはお弁当作りを実施。今後も子どもの自立を見据えた食育活動を進めていきます。
夕食のお手伝いを一緒に! | 各児童の誕生日は職員お手製のケーキでお祝いです |
お弁当作り 中高生の男の子もがんばって作りました こんなに上手に出来ました! |
休日のお昼にピクニック幼児さんは自でおにぎりを握って持っていきました |
保健衛生
当施設では、子どもたちが健康に生活するための支援を専門的に行っております。例えば嘱託医による健康診断やインフルエンザ等の予防接種、各疾病に応じた専門医療機関への受診対応、療養対応、施設内での医療的ケアなどが挙げられます。その他、発達発育に必要な医療的アプローチも継続することができます。
小児喘息などの基礎疾患を抱えるお子さんも少なくない昨今ですが、基礎疾患を持っている場合、保健衛生面において特に留意したいのは感染症です。かつては感染症の流行に悩まされる年もありましたが、移転新築をきっかけに当施設の生活様式は従来と大きく変わりました。これまでの集団での寮のような生活スタイルに代わりユニット化によって家庭的なスタイルとなり、感染症の蔓延を防ぐことが容易に出来るようになりました。
またストレスを抱える子どもたちが快適な環境のなかで、よりのびのびと生活できるよう支援しています。「病は気から」と言いますが、健康管理にはメンタルケアも欠かせません。心理士とも連携し、子どもたちが力強く羽ばたけるよう日々の成長を見守っています。
心理療法
心理相談室には各種心理検査や箱庭など備え付けられており、子どもの興味関心や悩み事に合わせたカウンセリングを行っています。また、心理士が子どもの生活しているユニットに出向いて、子どもや担当職員と話をする生活場面面接や助言指導も行っています。『人間に生まれることは大いなる歓喜なり』という法人理念を大切に、子どもたちが生きることに楽しさや喜び、安らぎを見出せることが増えるように取り組んでいます。
里親支援
里親は社会的養育の重要な担い手であり、養育に悩んだときにも社会的につながりをもち孤立しないこと等が重要です。当法人では、専門の相談員が関係機関等と連携しながら里親支援に積極的に取り組んでいます。また、里親制度の啓発・新規里親の開拓・里親実習の受入れ等も行なっています。
里親制度とは
それぞれの事情で親と離れて暮らすこどもたちが、日本には約4万2千人います。そうしたこどもを自分の家庭に迎え入れ、様々なサポートを受けながら、温かい愛情と正しい理解をもって育てる制度です。
里親とは
養育里親 | 原則18歳未満のこどもを、家庭に戻るまでの間や自立するまでの間、養育します。期間は1年以内の短期それ以上の長期の場合もあります。 |
専門里親 | 養育里親のうち、虐待、非行、障がいなどの理由により専門的な援助を必要とするこどもを養育する里親 |
養子縁組里親 | 養子縁組を結ぶことが前提です。養子縁組が成立するまでの間、里親として一緒に生活します。 |
親族里親 | 実親が死亡、行方不明などにより養育できない場合に祖父母などの親族がこどもを養育する里親 |
どうして里親が必要か
こどもには成長の過程で、信頼できる特定の大人との間で愛着関係を築くことが必要です。そんな安心できる関係の中で他者との関わりや将来自分が築く家庭のモデルケースを学んでいくことができます。里親家庭やファミリーホームでは、そこで暮らす里親の元で信頼関係を育んでいくことができます。
ホストファミリーの募集をしています
週末やお正月・夏休みなどの長期休暇に、数日から1週間ほど、施設で暮らすこどもを家庭に迎えます。平日はこどもとの時間が取れない人や、最初から長期で養育するのが不安な人などに向いています。自治体独自の取り組みなので、自治体によって名称や運用が異なります(例:東京都「フレンドホーム」長野県「ホストファミリー」など)
まずはお気軽にお電話ください。 専門スタッフが対応いたします。 |